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『活動報告』公開研究会(2009年3月19日(木)開催)

公開研究会『授業評価からFD評価へ』

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 2009年3月19日(木)14:00~17:30、京都大学百周年時計台記念館・百周年記念ホールにて、第2回関西地区FD連絡協議会主催イベントとして、研究WG・授業評価研究SG主催の公開研究会「授業評価からFD評価へ」が開催された。確認された参加者数は、会員校より114名、非会員校より120名、総計234名(開催スタッフを含む)という盛況であった。


 ひと頃は、「授業評価」が「FD」の代名詞として使われる向きもあったが、「FD義務」時代にあって、それが「授業改善」にどのように活用されるべきかが問われている。そこで、授業評価から授業改善へ、そして、授業改善から「FD評価」へと、どのように展開させていくべきか、授業評価研究の一線で活躍されている研究者の方々にご登壇いただいた。


image004.jpg  まず、安岡高志氏(立命館大学)は、長年にわたる授業評価研究の実証的データに基づいて、授業評価の評定値の特徴を概説し、その活用のためには、目標の明確化とその共有が大切であることを強調された

 続いて、米谷淳氏(神戸大学・授業評価研究SG主査)は、最近訪問されたメルボルン大学でのFD動向を紹介し、授業評価に関わる根拠のない神話に振り回されない活用に向けて、大学間連携に基づく共同研究の重要性について言及された。

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 関西FD外から、まず、栗田佳代子氏(大学評価・学位授与機構)が、「授業評」は教育活動をふり返るための一情報に過ぎず、それも含めて多面的に「ティーチング・ポートフォリオ」などの形にまとめることの効用について紹介された。
 最後に、羽田貴史氏(東北大学)が、FDを評価するためには、大学教員の資質・能力とは何かについて、キャリア・ステージ、研究と教育の相互関連性の視点を含み込んで、明確化・共有化することが肝要であると主張された。

 その後、進行を務めた大塚雄作(京都大学)より論点整理があり、フロアを含めたディスカッションに入った。

 「FD評価」とは何を指すのかという疑問も出され、評価のためのFDにはならないように、実質的なFDの実現に向けた評価のあり方を探る課題が浮き彫りにされた。

image008.jpg また、翌日の京都大学大学教育研究フォーラムで基調講演されたMITの飯吉透先生から、「授業評価」と「FD評価」という対峙は、「木と森を見てその間の林を見ていないのではないか」というコメントをいただいた。まさに、その間をいかに繋ぐかということも今後の重要な課題である。

 最後に、関西FD代表幹事校の京都大学を代表して田中毎実氏(京都大学高等教育研究開発推進センター長)が研究会を総括して、公開研究会を締めくくった。

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 実質的なFDに向けて、それを活性化する「FD評価」のあり方を模索・共有していくために、「授業評価」を含めた大学教育に関わる評価に関して今後に残されている諸課題は決して小さなものではないが、そのチャレンジを積み重ねていくための貴重な礎として、格好の問題提起の場となった公開研究会であった。
(文責:研究WG事務局担当・大塚雄作)


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