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【活動報告】第84回公開研究会(京都大学)(2012年10月10日(水)開催)

2012年10月10日、京都大学百周年時計台記念館・国際交流ホールにおいて、京都大学高等教育研究開発推進センター主催、関西地区FD連絡協議会共催のもと、第84回公開研究会「ピア・インストラクションによるアクティブラーニングの深化」が開催されました。
研究会には、学内外の大学関係者及び学生等、計113名の参加者(うち、関西地区FD連絡協議会加盟校参加者21名)の参加がありました。

第一部基調講演では、エリック・マズール氏(ハーバード大学教授)より、ピア・インストラクションの概要を、自身における物理の授業を例に解説されました。
ピア・インストラクションとは、学生同士の議論を組み込んだアクティブラーニング型授業の一つで、ConcepTestと呼ばれる課題を与え、クリッカーを使って個々の学生の理解度を測るとともに、学生同士の議論を通じて、授業への認知的・感情的な参加を促しながら、基本的な概念についての深い理解を目指します。
第二部のパネル・ディスカッションでは、ピア・インストラクションの事例報告として溝上慎一氏(京都大学高等教育研究開発推進センター・准教授)が自身の心理学の授業における実践を報告しました。
続いて松下佳代氏(京都大学高等教育研究開発推進センター・教授)がアクティブラーニングをめぐる問題点を整理し、外的にアクティブなだけでなく内的側面でもアクティブであることの重要性を強調するとともに、ディープ・アクティブラーニングの提案を行い、飯吉透氏(京都大学高等教育研究開発推進センター・教授)からは、このような教育イノベーションを普及、持続、発展させていくために、集合的文化の醸成とそれに基づく教育知コモンズの構築の重要性が強調されました。
最後にマズール氏より、このような授業法を定着させるのにもう一つ重要な点として、評価の方法を変えていくことの意義が指摘されました。フロアとも活発な意見交換が行われ、ピア・インストラクションの大きな可能性を感じさせる会となりました。

事後アンケート(72名より回収)では有益だったプログラムが何だったかを回答してもらったところ(複数回答可)、エリック・マズール氏の講演について69名が有益だったとの回答をし、非常に高い評価を得ました(次いで松下佳代氏によるパネル発表:44名、マズール教授のコメント37名)。自由回答では、マズール氏の講演内容が高く評価されただけでなく、ピア・インストラクションの手法を取り入れ、参加者が実体験出来るようにしていたという講演手法についても高く評価する声が多く見られた。
また、全体を通し、ピア・インストラクションの利点、課題点の両方を理解でき、有意義だったとの意見がありました。自分の講義でも実践してみたいという声も多く、この授業方法についてそれぞれの専門教科でどのように取り入れていくかについて、考える機会を参加者に提供することができました。

研究会の様子

【主催】京都大学高等教育研究開発推進センター
【共催】関西地区FD連絡協議会


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